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第三回電聖戦取材記

取材の目的

GoRは2015年2月に日本とフランスの若者による囲碁イベント「日仏港湾都市インターネット囲碁交流」を実施し、互いの友好を深めました。
仏側の交流母体である「Western League」との間では、既に次回のイベントに向けた話が挙がっており、この交流をどのように発展させていくかが当面の我々の課題となっております。

電聖戦は最先端の情報技術を駆使した囲碁プログラムとプロ棋士が対局するイベントであり、その囲碁プログラム(Crazy Stone)にモンテカルロ法を採用し、ブレイクスルーを引き起こしたフランス人のRemi Coulom さんも例年参加しています。
囲碁とITとフランス――少なからぬ共通項に縁を感じ、この度、GoRは取材を申し込みました。

                

イベントの概要

電聖戦は一年に一度、電気通信大学で開催される棋戦で、プログラムどうしで競うUEC杯を勝ち上がった上位2つの囲碁プログラムとプロ棋士が対局します。
第一回は二十四世本因坊秀芳に対し、日本のZenと仏のCrazy Stoneが四子で挑み、Crazy Stoneが勝利して一勝一敗。
第二回は依田紀基九段に同じくZenとCrazy Stoneが四子で挑み、Crazy Stoneが勝利して一勝一敗でした。
第三回となる今年は2015年3月17日に行われ、趙治勲二十五世本因坊に対し、仏のCrazy Stoneが三子で、そして新たに韓国のDolBaramが四子で挑みました。

                

イベントの結果

対局の結果はDolBaramが勝利し、Crazy Stoneは敗れて一勝一敗でした。
DolBaramの四子局は、DolBaramがコンピューターらしからぬ安定した打ちぶりで完勝しましたが、Crazy Stoneの三子局は、趙治勲二十五世本因坊の積極的な実利作戦の前に良いところなく敗れました。
結果について、主催者の電通大伊藤助教授は「三子ではまだ難しく、(プログラムの勝利には)ブレイクスルーが必要」とする見解を述べました。

なお、対局の棋譜やイベントの詳細はこちらのページをご覧ください。

                

取材を終えて

Crazy Stoneは敗れたものの、今年初登場のDolBaramが四子局で趙治勲二十五世本因坊に完勝し、プログラム全体のレベルが底上げがされてきている印象を受けました。
囲碁界にも、多くのボードゲームと同様、電脳の猛威が迫りつつあるようです。
「日仏港湾都市インターネット囲碁交流」において、直接に囲碁プログラムが関与することはないかもしれませんが、最先端の情報技術を駆使したイベントは、スリリングで魅力的であると再認識しました。

分野は異なりますが、我々も情報技術の無限の可能性を活かし、人々に刺激を与えられる囲碁イベントを今後実現していきたいと考えております。